10年勤めていた会社をスパッと辞め、
移住を決めた。
その時の上司のポカーンとした顔を
今でも思い出す。
なんとかトレーニングを積み、
3か月後ライフセーバーになった。
海のパトロールはもちろん、
日本一のライフセーバーを決める大会がある。
海に出ていき、戻ってくる速さを競うもの。
いち早く溺者にたどり着いて
いち早く助けることができる。
1年目は予選会でコースを間違えて失格。
2年目はでかい波にもまれて体が洗濯機状態になる。
毎日海に入っていたのに恐怖しか感じなかった。
自然の中で戦う事の難しさが
どっしりのしかかってきた。
最後の1年と決めて挑んだ3年目。
これまで何度も諦めようかとも思ったけれど
いつも練習している海の景色が
私をいつも奮い立たせてくれた。
オレンジ色に輝く夕日。
両手で丸を作ってそこに夕日をすっぽりはめ込む。
金メダルに見えた。
そんなふざけたことを毎日繰り返した。
結果は4位。
レースの事はほとんど覚えていない。
でもその日、
海を後にした時の眩しすぎる夕焼けは
最高だった。
海の楽しさはもちろん、
怖さも、
たくさん経験した。
たった3年だけど、
海のいろんな表情に触れられて
たわいもないことに
すごく幸せを感じています。
ちょっと、
大袈裟かもしれないけど。
スタッフ ともまい