吐く息も真っ白に凍る冬の日の朝。
表に出て、地面からにょきにょき頭を出した霜柱をザクザク踏んでどこまでも歩く。 都会ではもうすっかり忘れ去られた過去の思い出になってしまったような気もするけど。
あの楽しさは忘れられない! 霜柱は、気温が氷点下になったとき、土中の水分が地表に出てきて凍ったもの。 霜柱ができるメカニズムはというと…
まず地表の土が凍り、次にまだ凍結していない土中の水分が地表に向かってしみ出し(毛細管現象)、 冷たい空気に触れて凍ることを繰り返していくうちに柱状に成長していきます。
空気中の水蒸気が昇華して凍った霜とは別の現象で、霜柱は地中の水分が凍ってできたもの。
なので、霜柱のてっぺんには地面の表土が必ず乗っているのです。
霜柱の高さは、土の種類や温度によって変わり、ときには10cm以上にもなることもあるそうです。
でも、さすがにそんな立派な霜柱にお目にかかれることは一般的には少ないですね。 というか、それ以前に霜柱そのものを見かけることが少なくなった という地域(特に都市部)が増えているようです。
霜柱は寒い時期に見られる現象なので、当然暖冬の年に出現することは少ないです。 さらに都市部や都市部の郊外ではヒートアイランド現象による蓄熱の影響や、 道路が舗装されてしまっているから、とか、土が貯えている水分が少ないからという原因もあって。 そういう場合は気温が低くても霜柱は形成されません。
気温が低かったとしても地表と地中の温度差が必要なため、 霜より短い期間しか起こらない、限られた条件のもとでしか見られない現象でもあるのですね。 ちなみに霜柱は外国ではあまり見られない現象だそうです。
日本の“土”が霜柱の立ちやすい条件を備えていると考えられているんだそうな。
じゃ、こんな「日本の風物でもある素晴らしい“霜柱”をこれからも見て・遊んで・感動するためにはどうしたらいいんだろう」
って考える。
土が水を含んだ状態でいるためには、雨に頼るところが大きいんじゃないかな?
日本らしい暑さ寒さのメリハリが利いた四季がはっきり巡り来るためにはどうすればいい?
一つの答え(方法)で全てを解決することはできないけれど。個人がやって大きな成果に即繋がるなんて言えないけど。アスファルトやコンクリートで覆われた地面をこれ以上増やさないとか。
雨が地表を一気に流れ去らせてしまうんじゃなくて。一時的に雨水タンクなどに貯留して、ゆっくり地中に返してあげることを考えるのも大事な手段じゃないかと思うのですね。