私たちが当たり前のように毎日使っている水ですが、 それぞれ「規格」というものがあるというのはあまり知られてないですよね。 あるいは、あるのは知っていても具体的にはわからないとか。
水道水、工業用水、地下水、温泉、ミネラルウォーター、などなど… 水の基準は多々あって。 一番身近な水道水を例にあげてみると、 厚生労働省によって「水道水質基準」が定められていて、 51項目に渡る具体的な基準が省令で規定されています。
じゃあ、雨水の規格ってあるの?というと。 どうも日本には明確な規格が存在していないようなのです。 地域によって雨水活用に大きな差がある状況はそれも一因かもしれませんね。
ちなみに雨水活用の先進国ともいわれるドイツは、 雨水規格(ドイツ工業規格)が2005年に導入されたことによって 雨水に対する取り組みが確固としたものになりました。
10年をかけて作成されたという雨水規格は、「計画・施工・運用・保守」「フィルター」「雨水貯留槽」「制御と監視のための装置」という4部構成。
これを周辺諸国に広げ、EU規格や国際規格にしてしまおうという戦略を持っているんだそうです。また、ベルギーでは住宅において雨水の活用と敷地内での浸透または一時貯留を適応するように定めていたり、 イギリスでは雨水の浸透や保水などを含む持続可能な排水システムの新しい開発を奨励していたり。
韓国では「水の再利用促進及び支援に関する法律」が2009年に制定され、雨水活用を国が後押ししています。世界の雨水活用先進国と比べたら…日本はまだまだ雨水活用が浸透しているとは言いがたい感じ。
雨水規格がないこともその現れではないのかなとも思ったり。 しかし、2014年には日本でも雨水利用の推進に関する 「水循環基本法」と「雨水利用推進法」の2つの法律が制定されました。
今後は国や地方自治体などからも具体的な動きが出てくると予想されるし、 雨水規格も制定されるかもしれません。
きちんと規格が定まったら、雨水をもっといろんなシチュエーション&シーン活用していく幅が広がるんじゃないのかなーと期待しつつ… 雨も立派な資源です。 “損得”抜きにしても大事にする意識を持ちたいものですね。