人間の体内には体重のおよそ55~60%の水が存在しています。
つまり、半分以上が水でできているということは、言うまでもなく生命を維持するためには水が必要不可欠ということ。体内の水分が約10%失われただけで循環不全や筋肉の痙攣が始まり、約20%失われてしまえば死に至ってしまいます。
1日に必要な飲料水は人によって色々な意見があり、男性・女性・年齢によっても違いがありますが、概ね最低2~3L。
災害時に備えて蓄えておくべき水および飲料は、本格的な支援が受けられるようになるまでの「最低3日分」を備蓄すべきといわれています。そして、「水」といえば飲料水のことばかり考えがちですが、「生活用水」も忘れてはいけない大切なものなのです。
東京都水道局によると、一般家庭での1人あたりの水使用量は平均約240~300L/1日(2007年度)。
もちろん災害時なので極限まで使用を制限していると考えても、日常的に飲料水の約100倍近く使っている生活用水をゼロにする
ことは不可能だと思われます。
・食材や食器を洗う
・手足や顔など身体の汚れを落とす。
・衣服の洗濯
・水洗トイレを流す
・災害発生時に消火に使う
その他にも飲料用の水は使えないけれど「水」が必要なシーンはいっぱい。
なんだかんだと飲料水はペットボトルや給水車の支援で賄うことができますが、生活用水こそ災害時には手に入れることが難しいものなのです。
あるデータによると、災害時に必要な生活用水は1日に10~15L/1人。これを家族構成で計算すると、自ずと各家庭に必要とされる生活用水の備蓄量が見えてきます。
例えば4人家族の場合。飲料水に2~3L/1日×4人×3日=24~36L。生活用水に10~15L/1日×4人×3日=120~180L。
今までに何度もご紹介してきたとおり、適切な方法で貯めた雨水はキレイなもの。飲料水としては使えないとしても、生活用水としては十分使うことができると考えられます。 つまり、雨水タンクに貯めた雨水を災害備蓄用水として使うことを考えた時、「どのサイズのタンクをつければいいか」という目安に役立てることもできるのです。
赤ちゃんやこどもがいらっしゃるご家庭には、水(特に清潔な水)は、いくらあっても多すぎることは絶対にありません。そして、災害は思ってもない時に起こるからこそ”災害”なのです。
「きっと大丈夫」と油断して、いざというとき取り返しのつかない後悔をするよりも、普段から備えておくほうが絶対いいに決まってますから!
※1:阪神・淡路大震災では、水道復旧まで45日間以上かかった地域があります。
※2:阪神・淡路大震災では、3日間以上給水を受けることができなかった地域があります。