ドイツのドレスデンにある有名な観光スポット、クンスト・ホーフ・パサージュ。
クンストは美術、ホーフは中庭、パサージュは抜け道。
つまり、いくつかの中庭がトンネルのような抜け道でつながっているアートスポットなのです。
最初は歴史的建物保存のために外壁を修理するだけの予定だったのが、 ホーフとパサージュを包括的に改修することになり。
1997年にドレスデン初の “コンセプトを持つパサージュ” として生まれ変わり、現在では数あるパサージュの中でも人気No.1。
テーマごとに分かれた5つのホーフはそれぞれ異なったアーティストによってデザインされ、 「色」「光」「エレメント」「変化」「動物」という名前がついています。
赤と紺のモザイクタイルで描かれた不思議なタッチの人間や動物、3階まで届く巨大なキリンや木の枝を渡るゴリラ、削ったチーズのようにめくれた飾りが付いた黄金色の壁など、ユニーク建物が並んでいるのですが…
その中でひときわ目に付く有名な建物が“雨樋を使ったアートな外壁をもつ建物”で、世界中から注目を集めているんだそうです。
狭い通路を通り抜けると、そこには視界いっぱいに真っ青な壁!
そこに取り付けられたトランペットやとてつもなく長いブリキ缶のような雨樋は、まるで“ピタゴラスイッチ”のよう。
「雨が降ったら一体どうなるの???」という期待感でいっぱいになってしまう外観なのです。
実際に雨が降ると一番上にあるトランペットのベル状の集水口に雨水が入り、まるでピタゴラ装置を転がるビー玉のように雨水が樋を伝い降ります。
複雑な通り道を転がり落ちて(?)きた雨水が、ドア横のひときわ大きい最後の漏斗に入ると… 筒の途中に空けられた無数の小穴から水がシャワーのように噴き出す!
しかも、雨が降らないとその効果が見られないと思いきや、ちゃんと30分置きに水が流れる仕掛けになっているので、晴れた日にも楽しい水の“演技”を楽しめるのがうれしいですね。
「雨樋は美観を損ねる」と嫌われがちですが、なんのその。
雨をモチーフにした見事なアート作品! なんだか雨の日が待ち遠しくなるようなワクワクする家というのも楽しいじゃないですか。
ここまでデザインにこだわった樋を日本でも作れたら楽しいですね。
この家は最後シャワーにしちゃいましたが、雨水タンクに貯めれば一石二鳥。
雨を貯める・楽しむいろんなアイデアが浮かびそうです♪