正確な予測が困難な局地的大雨のゲリラ豪雨、短期間に大量の雨が局地的に降る集中豪雨。
そしてゲリラ豪雨や集中豪雨が原因で下水道の処理能力を越え、マンホールや側溝などから水が溢れ出すのが「内水氾濫」。
内水氾濫に対して川の水が堤防を越えて溢れ出すのが「外水氾濫」。
一般的には内水氾濫と外水氾濫をまとめて“洪水”と呼んでいますが、厳密に分けるとこういうことらしいです。
言葉としてはあまりメジャーではない内水氾濫と外水氾濫ですが、防災の観点では当然よく使われています。
しかし平成21年度時点では外水氾濫の危険を周知する「洪水ハザードマップ」が900近くの自治体で作成されているのに、内水ハザードマップはその10分の1である約90の自治体でしか作成されていないという…
そこで国交省が「これではいけない!」と、住民にわかりやすい内水ハザードマップの作成及び公表・活用を促してきました。 その甲斐あって内水ハザードマップを発行する自治体が増えています。
内水ハザードマップは国交省が発行する手引きに基づいて作ることを推奨されているので、基本的にはどの自治体のほぼ似たような構成になっていると思われます。
過去の浸水実績(浸水範囲、浸水深など)や地形情報、浸水シミュレーションなどから内水浸水想定区域を作成するようにと指導されているようです。
その上で、必要最小限の記載するようにとされている共通項目は以下の2つ。
・浸水に関する情報…内水浸水想定区域図、浸水シナリオなど
・避難に関する情報…避難場所、避難時危険箇所など
地域特性に応じた浸水時の情報、浸水を予防するのに役立つ情報などの地域項目は以下の通り。
・災害時活用情報…過去の浸水実績、地下街・地下室等の情報など
・災害予防情報…適正な土地利用への誘導、貯留・浸透施設の設置に関する事項など
・災害学習情報…水害発生のメカニズム、地形と氾濫形態、下水道の役割など
地震、津波、高潮、土砂災害、外水氾濫(洪水害)に加えて内水氾濫まで、今ではたくさんの防災マップが存在しています。
なかなか日常的に開いて読むことは少ないかもしれませんが、配布された時には一通り自分の家のある地域にはどんな危険が潜んでいるのかチェックしておくといいですよね。
そして、内水ハザードマップにも(雨)水の「貯留・浸透」に関する記載がちゃんとありました!