地方による差はあるものの、国全体で考えたとき、日本は地球上で降水に恵まれた地域のひとつです。
雨水が森林などの涵養地域から地下に浸透して地下水となり、市街地の下を流れ、やがて川や海へとたどり着く。
この循環の過程で雨水はきれいでおいしい水になっていきます。
そして、日本のほとんどの地域の地下水はおいしい飲料水の部類にはいるんだそうですよ。
そこで気になってくるのが「雨水が地中に浸透して地下水になるにはどの位の時間を必要としているのか?」
ということ。
”約7000年という時をかけて雨水や雪が湧水になる”という、あるミネラルウォーターのCMがありましたが、地下水はとてもゆっくりとした速さで流れていて、その速度は土壌の性質や圧力によって変わってくるんだそうです。
そうすると今度は「地下水の年齢はどうやって調べるの?」「地下水の年齢はどのくらい?」という
素朴な疑問が生まれてくるのですが・・・
水の年齢は、水に含まれる放射性同位元素を測定することによって調べられるんだそうです。
その結果、エジプトやルーマニア、北アフリカ、アラビア半島、アメリカなどには数万年を経た地下水があることもわかっているそうです。
ちなみに日本の”名水”と呼ばれる水の年齢は数10年~100年位。数万年を経た世界の地下水には及ばないですが、それでも長い年月がかかっています。
「今使っている水の年齢は?」 そういうこを意識するのも水を大切にすることに繋がっていると思います。
近年、特に都市部ではダムの水による上水道の恩恵を受けているため、地下水のありがたみをつい忘れがちになってしまっています。
さらに地下水を涵養するための資源でる雨水が地中に浸透できず、川や海へそのまま排出されてしまうという問題も指摘されています。
さらに強制的に雨水を排出しようとすることによって、下水に過負荷がかかり都市型洪水に 繋がってしまうことも多々あります。
それではありがたい天からの恵みである雨水が悪者になってしまうという哀しい状況。
本来は天から降ってきた雨水は長い長い時間をかけて地中を通過し、きれいでおいしい水になる。今 降っている雨水は将来の豊か地下水の原料でもあるありがたい存在。
雨水をゆっくり地中に浸透させることは、私たちの子孫にかけがえのない宝物を伝える大切な行為。
そのためには何ができる?と考えたとき。 行政によるインフラ整備も大事ですが、各家庭で取り組む雨水活用が一番身近な ”できること”
家庭でする小規模な雨水活用がどのくらい役に立つの?と疑問に思われるかもしれませんが、決してそんなことはなくて。
「降った雨を雨水タンクに貯めて、使うことでゆっくり地中に返す」
一軒の取り組みでは確かに効果は無いでしょうが、地域全体が取り組めばそこに大きな効果が生まれます。
まずは始めてみるこtが大事。そして、雨水活用は誰にでも思いついたときに簡単に始められることなのです。