2014年の福井大会に続き、今年も開催された雨水ネットワーク会議全国大会。
年に一度、全国から雨水活用を啓発・推進する市民、企業、行政、学会が集まり、情報交換や活動の連携を行っています。
8回目を迎える今回は8月21~23日の3日間、愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)を会場に、「雨は、恵みと、緑と、情をはぐくむ ~ものづくり愛知の忘れ物 雨水 里山 環のこころ~」をテーマに開催されました。
記録的な豪雨により大きな被害を被った「東海豪雨」から15年、”自然の叡智”をテーマにした「愛・地球博」から10年という節目を迎えた愛知県。雨水の価値を再発見するとともに、グレーインフラとグリーンインフラを上手に組み合わせた雨水活用について考えるというのが今大会の開催趣旨。
大会スケジュールと大まかな内容は以下の通り。
21日(金) 雨水セミナー&行政部会・企業部会設立会議
セミナー:「雨水の利用の推進に関する法律」について
事例発表①:「雨水市民の会の活動」
事例発表②:「雨水ネットワークの展開」
22日(土) 雨の環シンポジウム、雨の環ミーティング、雨の環交流会
講演①:雨水の恵、森の恵と私たちの生活
講演②:雨庭のすすめ~気候変動と生物多様性の損失への賢い対応~
幻燈:雨は物語を連れてくる
鼎談:雨 恵 緑 情
雨の環ミーティング①
雨の環ゼミ1:愛・地球博を振り返って
雨の環ゼミ2:都市の緑の本当の価値
雨の環ゼミ3:里山の恵と食
雨の環ミーティング②:みんなで考える
雨の環交流会:郷土料理や地元食材を囲んでみんなで雨を語り合う
23日(日) 雨の水みちツアー
長久手山里湧水めぐり
水源の森探索
メインとなるのは22日の土曜日。
午前中は講演~鼎談、午後は雨の環ミーティングで、雨の環ゼミでは参加者が3つのグループに分かれてワークショップやディスカッションが行われました。
雨の環ゼミ1では雨水国際会議が開催されたときに語られた内容や、愛・地球博の会場でどのように雨水建築が実践されたか、雨水の利用促進に関する法律が成立したこれからの雨水建築について語り合う場になりました。
雨の環ゼミ2ではドイツ・エアランゲン市在住の日本人ジャーナリストの視点から見た、「緑と水」を整備したドイツの都市についての紹介と、ドイツにおける都市の「緑」の価値と、私たちの身近にある「緑」の価値を考えるワークショップが行われました。
雨の環ゼミ3は愛・地球博記念公園に再現した里山の暮らし”あいちサトラボ”の見学と野菜の収穫、五平餅づくりなどの体験です。
いづれも興味深い内容で、体が3つあったらいいのにとおもったくらい。
講演でお話を聞くだけじゃなく、自分たちも一緒になって考えて、考えたことを発表してまた意見を交換するという経験をすることができました。
23日の「雨の水みちツアー」は長久手の美しい棚田と湧水のある豊かな風景を見学するコースと、愛・地球博記念公園内の林床花園や親林楽園、水源の森を散策するコースに分かれての開催。
豊かな自然を雨の関係をより考えるきっかけになりました。
さて、来年の「雨水ネットワーク会議全国大会2016」は関東地方での開催となりそうです。
またどんな雨水についての学びを得ることができるか今から楽しみなのです。