全国各地に、都市型洪水防止や河川への流出抑制、渇水対策などさまざまな目的で雨水活用を啓発している 団体があります。
昨年には雨水の利用を促進する法律も制定され、国や自治体による取り組みも期待 されるけれど・・・やはり”その地域”の問題に取り組む市民団体の活動は大事ですね。
福岡市を流れる樋井川の洪水をきっかけに、流域内を貯留・浸透させる市民活動を続けている団体があります。
その団体の活動をさらに発展させようと活動しているのが「あまみず社会研究会」です。
“流域内のすべての場所で雨水の貯留・浸透を行うことはもとより、分散型・自立型のあまみずシステムを 従来の水管理システムのサブシステムとして位置付けるためにはどうしたらよいか”
・・・という新しいテーマに取り組んでいるんだそうです。
ちょっと難しそうに聞こえますが、分かりやすく表現するとこんな感じでしょうか。
・人口減少社会の中、維持管理に優れていること
・雨水を貯め・使う過程で様々な世代・主体が時空間をつないで協力できること
・緑を増やし、あたたかく楽しい雨水社会の構築を目指すこと
つまり「誰にでも簡単に始められ、長続きさせることができ、しかも楽しい雨水活用」を提案する活動を展開 しているのが「あまみず社会研究会」なのです。
平成27年11月29日(日)には「あまみず社会研究会」の主催で「あまみずコーディネーター講座(試行編)」 が開催されました。
この講座は「あまみず社会」を実現するための技術者養成講座で、一般の人たちが実施できる雨水貯留浸透を
日常化する方策を学ぶためのもの。具体的な対象者は以下のような方々。
・雨水貯留浸透活用の技術の普及を目指す建築・造園・設備などの技術者・設計者または一般の人たち
・水問題の解決の具体策に関心のある人たち
・雨庭のデザインや都市の生物多様性の実現を目指す人たち
・流域治水と環境問題の融合に興味のある人たち
・あまみずの扱い方を通して、大・中・小技術の適切な使い方を勉強したい人たちなど
同じく内容は以下のようなもの。
・京都の「雨庭」の実例とその方策を学ぶ
・市民協働の雨水貯留浸透活用の先進的取り組みがある樋井川に関わる人たちと一般の人たちおよび講演者の交流を図り、広く経験と知恵を共有するなど
講演には参加者のみなさんが熱心に耳を傾け、ワークショップでは熱心な議論も交わされたそうです。
個々の家庭で植物への散水や打ち水などに使うために雨水をためるのはすぐにでも始められること。
でも、家庭内でのメリット以外に、”なぜ雨水を貯める必要があるのか”という社会的な意味を知ると、もっとやる気も出てきますよね。
雨水活用がもっと普及して、幸せな”あまみず社会”が実現されるって・・・
とても素敵なことだと思います。
雨の降り方は地域によって違いがあります。
建物の「雨仕舞い」は地域の独特の景観を作ったり、「雨仕舞い」を見るとその地域の雨の降り方がわかります。