水耕栽培は種と苗、どっちから育てる?
実もの野菜の水耕栽培を始める時は、種からはじめるやり方と、苗からはじめるやり方があります。
どちらからでも栽培はできますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
種から育てるメリット
・育てたいものを選べる
・種はたくさん入っていて安い
・苗から育てる場合に必要な「ならし」が要らないので手間が減る
・苗から育てる場合とは異なり土が全くない状態で始めるので病気になりにくい
・種まきから収穫まで1から成長過程が楽しめる
種から育てるメリットは、主に上記5つです。
苗からはじめる場合には、お店に欲しい品種がない場合もあるので育てたいものを選べるというのは大きいメリットです。
また、種から育てる場合は下の写真のように発芽する様子が観察でき、数時間の間にくの字に曲がった状態からピンと苗が立つ状態になっていくなど、植物のおもしろい姿が見られることもポイントです。
種から育てるデメリット
・発芽率の問題で発芽しない可能性がある
・装置に直植えの場合、小さいうちは雨風などに弱い
はじめから一株分だけしか植え付けをしていない場合、発芽率などの問題で育たないこともあるので、種から育てる場合は数株分種まきをして、育ちの良かった1株を選んで栽培する方法がおすすめです。 育ちの良かった苗を水耕栽培キットに移し、残った苗はペットボトルで簡易栽培をすれば、せっかく育った苗がムダになることもありません。
また、装置に直植えをしたり、苗がまだ小さい状態で装置に移す場合は、雨や風にとても弱いので、苗カバーをしてあげてください。
苗から育てるメリット
・苗がある程度育っているので育てやすい
・植える時期が遅れていてもはじめやすく、収穫までが早い
苗から栽培をする場合、ある程度の大きさに育ったものを植え付けるので、雨や風でダメになることもなく、また植え付け時期が遅れていても成長してくれます。
適切な時期に苗からはじめた場合は収穫までの期間が早いというメリットもあります。
当店では通常より遅い6月の末に苗からキュウリの栽培を始めましたが、約ひと月後から収穫ができるようになりました。
このように、栽培を始めた時期が遅くても育てることができるという点も、苗から栽培を始めるメリットとなります。
苗から育てるデメリット
・種より割高
・土の環境から水の環境になれさせるための「ならし」期間が必要
・根に残っていた土から病気になったり、葉っぱに害虫がついている場合がある
苗から育てる場合に注意が必要なのは、土が原因の病気や、苗を購入した時、お店では他の苗も一緒に陳列されているため、葉に害虫がついている可能性があることです。
最後に
種から育てる場合も、苗から育てる場合も、それぞれに良い点・悪い点があります。
育てたい品種の苗が販売されていない場合は種から、栽培開始の時期が遅い場合は苗から育てるなど、自分がどんな野菜を育てたいかはもちろん、栽培を始める時期のことも考えて、一番やりやすい方法で栽培を楽しんでください。