雨水利用の豆知識

日本が水不足になる可能性

日本の年間平均降水量は約1700mm
世界の年間平均降水量は約800mm
日本には世界平均の約2倍の雨が降るという水に恵まれた国。

しかし、そんな水に恵まれた日本にも水不足の心配があることにお気付きでしょうか。

毎年ゲリラ豪雨などで土砂災害や都市型洪水が発生しているので、降る雨の量が増えたと錯覚しがちですが、 実際には局地的・短時間に集中して雨が降るために雨量が増えたと思ってしまうだけで、ゆっくりと確実に年間降水量は減少しつつあるのです。

もともと日本列島は山地が多く、山に降った雨は大陸と比べてあっという間に海へと流れてしまうという地形的なデメリットがあります。特に梅雨や台風の時期に降った雨の大部分は洪水となって一気に川を下り、利用されないまま海に流出してしまいます。

ちなみに雨が日本の国土にとどまる “滞在時間”は「1泊2日」という説もあるくらい。つまり、雨が降らないとすぐに水不足になってしまうという潜在的な問題があるのです。

近年は「雨はなるべく早く排出する」という考え方で、街づくり・家づくりが行われてきました。

さらに水源を涵養する森林を伐採し、雨水を一時保留してゆっくり地中に返す役割を果たしてきた田んぼや畑や宅地に変え、川はコンクリートで護岸するなど、人為的な要因もあり。
降った雨は以前よりもさらに早く排出されてしまっているのです。

降水量は減少し、地中に染み込む前に海に流れ出てしまう。
結果として使える水の量は減っていくばかり。

どんな雨に恵まれた国であろうと、使う前に捨ててしまっていれば水が足りなくなるのも当たり前ですね。

雨豆知識

世界各地でも深刻な水不足が起こっています。
中国第2の大河である黄河は取水量が増えたために、1年の半分以上は河口まで水が流れなくなり、流域の人々が飲料水にも困り、工場の操業停止、公衆浴場なども使えなくなっています。

世界で4番目に大きな湖であった中央アジアのアラル海は1960年代頃から急激に水量が減少し、今では完全に消滅する可能性が出ています。「20世紀最大の環境破壊」といわれ、世界に衝撃を与えました。

アメリカやインドでは地下水が枯渇し、農業用水が確保できないために農地が減り始めています。
4年連続で干ばつが続くカリフォルニア州は、都市部の水使用量を平均で25%カットする緊急干ばつ対策案が実施されました。

余談ではありますが、枯れて黄色くなった芝生を天然色素を使用した無害なスプレーで緑に塗る住民が増えているとか・・・

世界遺産にも登録されている世界最大のイグアスの滝も深刻な水不足で流量が減少することが度々起こっています。

健康的な生活を送るためには1人当たり50L/1日の水が必要だそうです。
日本では1人当たり250~350L/1日の水が消費されています。

世界平均は約170Lだそうですから、いずれにしても潤沢に水を使わせていただいている民族といって間違いないでしょう。

でも、それもいつまで続くのか・・・?
冗談ではなく、根拠のある懸念。
世界の枯渇問題は決して対岸の危機ではないのですね。

人は“あたりまえにあるもの(=水)”にはありがたみを感じにくいけれど。
実は“あたりまえにあるもの〈=水)はいつまでも永続して“ある”とは保障されていません。

水が豊かだから、日本ならではの美しい自然もある。
これも守っていかなければいけないもの。
そんなことも忘れずに、改めて水を大切に、育てる努力をしていきたいものですね。

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