毎年3月22日は国連が全世界に定めた「世界水の日」なんだそうです。
今年はその日に合わせ「世界水発展報告書2015」が国連から発表されました。
その中で「世界経済の拡大にともない、淡水の使用を減らす措置が講じられなければ、 2030年には世界の水不足が深刻化する」と警告を発しています。
現在のペースで水の消費が続けば、今後15年間で必要な淡水が40%も不足することになるそうですが…
40%といえば相当な数値です。 しかも決して遠い将来の話ではなく、15年後なんてあっという間にやってくる。さらに水がちゃんと供給されている地域ならまだいいのですが、慢性的に不安定・不十分な地域では水の供給自体が不可能になりかねないとも指摘されています。
農業で使用する水の割合は、世界の淡水供給量の約70%。
そういえばこの数年、農業大国・アメリカの農業地帯では深刻な水不足が続いています。アメリカでは灌漑に使われる水のほとんどが地下水で賄われていて、世界最大級の広さを誇る帯水層の水を大量に消費してしまい、著しい水位低下が起こっています。
その結果として井戸が枯れたり砂漠化したりというさまざまな問題が発生し、農地を放棄しなくてはいけなくなるところも出てきているそうです。 水の需要を押し上げている原因について、報告書が指摘していることは他にもあります。
・肉の消費拡大や住宅の大型化
・乗用車およびトラックの増加
・エネルギー消費量の多い機器の増加
・人口増加と都市化の進行 など
水の需要は人口増加率の2倍のペースで拡大する傾向があるんだそうです。 世界の人口は現在の72億人から、2050年までには91億人に達するとも予想されています。また、国際エネルギー機関は、「2030年に世界のエネルギー需要は2020年を60%程度上回る」としています。
水はあらゆる種類のエネルギー生産に必要な資源。人口増加とそれに伴うエネルギー供給の拡大は、必然的に水資源に影響してくることになるのです。
地球は水の惑星とも例えられるほど水に恵まれています。
でもその97.5%が海水で、淡水はたったの2.5%。
さらに淡水の2.5%中24.9%が地下水や氷河・氷。
私たちが利用しやすい状態で存在する淡水はたったの0.01%。
節水はもはやあたりまえのこととして認識されていますが、今後は水を地球上に適切に循環させる「水循環」について考え、実践していくことが必要ですね。
節水にも水循環にも貢献する雨水活用。 迫り来る水不足、できることから私たちも始めたいものです。