2017年5月は全国的に少雨傾向の模様。田植えのシーズンを間近に控え、各地で渇水を心配する声が出始めているようです。
梅雨にまとまった雨が降ればいいのですが、こればかりはしばらく様子を見るしかなさそうです。
雨が降らないとなれば節水を呼びかけるのは行政の仕事。
そして各地で雨乞いの神事も行われます。
例大祭のような恒例の神事としてではなく、雨が少ないときにのみ行われる各地の雨乞い神事。ローカルニュースなどで取り上げられると「雨乞いって現代でもやってるんだなぁ」とちょっと驚いたりもします。
政治を政(まつりごと)というのは、かつて神様を祀ることが政治だったことの名残り。
昔は雨乞い神事を行うことも政治(=行政の仕事)だったんですね。
さて、雨が少ないときの雨乞いから毎年行われる特殊神事へと発達していったお祭りや、雨乞が起源となっている例大祭、かつて行われていた雨乞い神事を復活させたお祭りも各地にあります。
平安京ができる前から水神である高?神(たかおかみのかみ)をお祀りしている京都の貴船神社では、毎年3月に特殊神事として「雨乞祭」が行われています。
かつては日照りや長雨のときには朝廷から勅旨が遣わされ、雨乞いには黒馬を、雨止めには白馬を奉納して祈願したそうです。
神職が五穀豊穣を願い、降雨の祝詞を読み上げ、太鼓や鈴を鳴らし、「雨もたれ、雨もたれ、雲にかかれ、鳴神じゃ」と唱えながら、御神水を榊の枝で振りまきます。
今では生き馬の奉納は行われていませんが、代わりに絵馬供養が行われています。
島根県吉賀町の「水源祭り」は、一旦廃れていた雨乞い神事を平成4年に復活させ、毎年6月に開催しているお祭りです。最初に社の前で神職が祝詞を唱え、藁で編んだ大きな龍に酒を飲ませるという所作が行われます。
その後、男衆たちが藁の龍を担いで清流・高津川の水源池に飛び込んで、龍を上下に激しく揺さぶって暴れまわらせたあと、樹齢1000年以上という杉の大木に龍をかけて神様に雨を乞います。
ちょっと余談にはなりますが…
日本の国技である相撲の起源は垂仁天皇時代に当麻蹴速(たいまのけはや)と野見宿禰(のみのすくね)の力比べが始まりと言われています。
本来は神事として五穀豊穣や天下泰平を願ったり、豊作や豊漁を占うために行われていた相撲ですが、雨乞いとしての神事相撲も行われていたそうです。
普段はあたりに使っている水ですが、災害が起こると水の怖さに、水不足が起こると水の大切さに改めて気付かされます。
さて、水が足りなくなってきたら頼りになるのが雨水タンク。
雨水タンクをよく知らない・まだ使ってないという方は、この機会にぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。