近ごろ耳にする機会が増えてきたグリーンインフラという言葉。
さてさて、どういう意味だろう?と疑問に思っている人もいるようなので少し解説をしてみたいと思います。
グリーンインフラとは、その名の通り「緑のインフラ」「緑」を土地利用計画の中に上手に組み込み、“自然のプロセス”を尊重し、活かすことで、 特に都市部が抱えるいろいろな課題を解決しようとする取り組みです。
ちなみにグリーンインフラに対して、ダムや堤防、道路のようにコンクリート等でつくる従来型のインフラをグレイインフラと呼ぶそうです。
特定の目的のためだけに建設され、活用されるグレイインフラとは異なり、グリーンインフラは環境・経済・社会の各方面にさまざまな恩恵をもたらしてくれるといわれています。
グリーンインフラは1990年代の半ばにアメリカで意識化された新しい社会インフラ手法で、「生命維持」機能を高めるための“生態系のネットワーク”を重視するところが特徴です。
具体的にいえば、従来コンクリートやアスファルトで覆われた透水性のなかった場所に、浸透・蒸発・発散・分散貯水・再利用などのサイクルを通した適切な水循環をうながす“雨水処理管理インフラ(=グリーンインフラ)”を設置するというもの。
健全な生態系を確保・維持することで、生物多様性の保全はもちろんのこと、水の浄化、生産性の高い土壌の維持、子どもから大人まで楽しめる質の高いレクリエーションの場(=豊かな自然環境)を提供してくれるなど、さまざまなメリットを私たちにもたらしてくれるものなのです。
私たち人間も自然の構成要素ですもの「自然と共存する世界」を目指すべき、というより目指さなければいけないですよね。
近年、世界中で「観測史上初の」という公式記録を塗り替えるような異常な気温変化や降雨量が続いています。
温暖化による海面上昇も依然止まるところを知らずで…遠くない将来には消滅してしまうと予測されている島国もあります。
環境に対する危機感がますます高まっている現代だからこそ、グリーンインフラの考え方をしっかりと理解して、できるところから可及的速やかに取り組みを始める。それが大事じゃないのかなと思うのです。
少なくとも今までのインフラ整備によって起こってきた問題(災害を含め)が顕在化しているのだから。いつまでも同じままグレイインフラに頼っていくというワケにはいかないですよね。