雨水活用で最も簡単にできるのが打ち水・散水。
“水をまくだけ”で、蒸発による冷却効果、ヒートアイランド現象の抑制、雨を地面や空気中に返すことで健全な雨水循環系を育むといった効果があるのです。
しかし”水をまく”という簡単な行為ですが、効果を追求していこうとするとちょっとしたポイントがいくつかあります。
まず、屋根から集めた雨水を雨水タンクに貯めて、そこからじょうろなどで打ち水・散水をする場合はろ過しないでそのまま使って問題なし。
初期雨水を除去してろ過すればスプリンクラーや散水ノズルを使うこともできるようになります。
打ち水は朝夕の比較的気温が低い時間帯に行うことで効果を持続させることができます。
水をまくとその部分の気圧が変わって涼しい風を得ることができるというのが打ち水の原理。
日中の気温が高い時間帯にアスファルトやコンクリートに打ち水をしてもすぐに蒸発してしまうのであまり効果がないのだそうです。
また、セラミック素材や火山岩など、保水性の高い多孔質素材などに水かけるとゆっくり気化させることができるので長く効果を得ることができます。
断熱がしっかりしている一般住宅ではあまり効果はありませんが、断熱材の入っていない屋根に散水すれば室内温度を下げることができます。
その場合、噴水のように勢いよく水を散らすのではなく、屋根の面に沿って静かに流すほうが効果的。
活性炭や高性能フィルターなどでろ過し、殺菌消毒を行えばドライミストにも使えますが、こちらは雨水活用上級者レベルになってきますね。
まずは普通の打ち水から始めてみましょう。 「朝夕の涼しい時間帯にじょうろなどで保水性のある素材に水をかける」
どれもちょっとしたことですが。 コツを知って実践するだけで効果が変わるのなら簡単なことですよね。